バージョン 1
偉大なるアントン・ソコロフは私などに力を貸してくれないということか。機鋼兵の新型を作りたいのだが… まあいい。別の手を打とう。私の電気ショックの機械が… 半分遊びで作った実用性に乏しいあの機械が、今回は役に立ちそうだ
あれを適切に調整することが可能なら、ソコロフが持つ膨大な知識に傷をつけることなく、自立と自由意志に関わる部分のみにダメージを与えられるはずだ。そして願わくは、あの老人のもっと重要な特性… つまり今や伝説となったあの創造性も(そんなものがあるとは認めたくないが!)無傷で手に入れられるかもしれない
バージョン 2
ソコロフは「協力」という概念に関して予想以上に抵抗があるようだ。彼は頑固で意地悪な老いぼれであり、そのせいで私は電気ショックの機械を使わざるをえない。あれは慎重に扱わなければ彼にとっての破滅になりかねない。私の目的はソコロフの心を「折る」ことだが、同時に新型機鋼兵の製作に協力させなければならない
機鋼兵は今のところ1台作るのに膨大な費用がかかってしまうが、我が恩師と私が力を合わせれば、コスト削減の方法がきっと見つかるだろう
バージョン 3
電気ショックの機械の調整はまったくうまくいっていない。被験者の人格のより厄介な構成要素をいじること… 例えば意志の力を破壊しつつ、同時に認知力や創造性を無傷なまま残すというのは、どうやら現実的ではないようだ
私の機械にかかった被験者は、まるで子供のように無意味なことをぶつぶつとしゃべり続ける… 私がソコロフに期待していることとは、真逆の結果となってしまう
バージョン 4
我が恩師に付き合うのはもうウンザリだ。機鋼兵の設計の簡略化について、彼の助けは必要ない。その点に関しては確信があるが、ソコロフがいないと製作コストの削減が実現するまで何年もかかってしまう。コスト削減には、材料をもっと安価かつ入手しやすいものにして、アベール公爵お抱えの頭の弱い工員でも組み立てられるように設計を変えねばならない。だが公爵は必ず機鋼兵の軍隊を手に入れるだろう。私に任せておけば大丈夫だ。ただ、問題はいつになるかだ
電気ショックの機械の実験を続けて適切な調整方法を見つけよう。そしてもしソコロフに協力させることが不可能だとしても、彼をあの機械にかけるのはやめない。なぜなら、楽しいからだ