あいつに見つかった。驚きはない。あるのは救われた気持ちだけだ。アイルズで俺を見つけられるのは、ビリーぐらいだろう。腕も全く落ちていないな
まだあいつが子供だった頃を覚えている。街中の子供で、最初に俺のギャングに加わったわけではなかったのに、あいつには可能性を感じた。だから連れ出し直々に訓練してやった。あいつは誰よりも早く、必死に物事をこなし生活に順応していった。その成長を見守った。強く、素早くなっていく様を。あいつはいつも俺を驚かせようとしてきた。だが、歳を重ねるごとにあいつの残虐な一面が少しずつ露わになっていった。少しずつ冷酷になっていったのだ。あいつはあのマスクを好んでつけていた
俺はあいつを変えてしまった。アウトサイダーが自分にやったのと同じように。あいつが裏切ったのも、全て俺のせいだ
そんなあいつも立派になった。俺にはわからない。あいつが俺抜きでどんな人生を歩んだのか想像もできない。誰を傷つけたのか、あるいは誰を気にかけていたのか。俺が何年も前に許してやったことをあいつは分かっている。だが時折思う、あいつは俺を許そうと思ってくれたことはあるのだろうか