私の機械にはシンプルな優雅さがある。アイルズに住む人間のほとんどには理解できないものだ
別に単純な機械と言いたいわけじゃない。私の機鋼兵は単純とは程遠いものだ。あの機械の複雑さはサロンの警備のため機鋼兵を購入する顧客が理解できる範疇を超えているし、公爵とそいつを守る最上級衛兵、それに自然哲学アカデミーの了見が狭い連中も到底その複雑さを理解できない。機鋼兵のデザインの複雑さにはもう惚れ惚れするばかりだ
だが私はすぐにあの機械は、片方では互いをほめそやしていながら、もう片方ではぶつぶつと文句を言いあっている策略家よりも単純だと認識した。矛盾した話だと思うだろう。私の機鋼兵たちは、妨害行為を働くこともなければ、敵と味方の違いを理解できるし、両者を混同することもない
ではもし私の機鋼兵を買った顧客が、私の最高傑作を意のままに操り私に敵対してくるような、鼻につく人間だったらどうだろう? そのような者は真の最高傑作とはいかなるものか理解することとなるだろう。全ての機鋼兵はJIN4690IFFという音声コードに反応し、これを話したものに服従するよう再設定を行っている。この配列を知っているのは私だけだ。私が永久に保管しておく
私の機械は決して私に危害を加えることはない。それこそが私の作品の計り知れないほどの美しさというものだ