虚無からの囁き - バルノリ・ムラニ著 [2]

Death of the Outsider

異世界の物質的存在に関する論文[抜粋]

夢の中でつかの間訪れる虚無や、昏睡から覚めた者が語る虚無は、選ばれた者だけの特権ではない。私が聞き取り調査を行う中で、程度の差こそあれ、1度もこのような虚無の幻視を見たことがないという者は誰もいなかったのだ!

となれば、これは伝説の類でも、集団幻覚でもなく、実在する場所に違いない。地中の奥深く、あるいは天空はるか高くに存在するのかもしれない。我々のすぐそばにありながら、知覚できないよう隠されているのかもしれない。何らかの光のトリックか魔法の覆い布で、我々の探求を逃れているのだろう。こうした現象を排除して、自由に虚無を観察できるようになるには、自然科学者たちの研究に期待して待つだけだ

だが、そのように謎が解かれ、白日の下に晒されたとすれば、その場所に対する畏怖は消えてしまうだろう。アウトサイダーの神話に登場するような遠く特別な場所ではなくなってしまうのだ! これは奇妙な状況に思えるだろうか。確かになんとも居心地が悪い。それでも、その場所もまた、我々が探検し、征服すべき新しい世界なのだ

そこにはどんな新しい宝が我々を待っているのだろう? 液体のダイヤモンドをたたえた湖? 重さのない銀の気体でできた雲? そこから我々はどんなことを学べるのだろう?

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