[ブリアナ・アシュワースの報告書より抜粋]
カルナカには眠らぬ魂や邪悪な死者にまつわる物語が数多く存在する。子供騙しのような内容であっても、そうした物語は使用人の部屋やバーなどあらゆる場所で語られる
デリラを引き戻した1849年の儀式の後、私は奇妙な出来事の報告書を数多く集めてきた。ちなみに臆病者のスティルトンは今も同じ家に住んでいる。2年前、キッチン担当の使用人が突然逃げ出し、仕事場へ戻るのを拒むという出来事があった。彼女が言うには、中庭で亡霊達が音もなく会話を交わしているのを目撃したのだという。その後、それまで数年間にわたって邸宅へ果物を届けていた男が、理由を一切明かさずに突然配達をやめた。また、スティルトン自身が多額の金を払い、使用人を医者へ行かせて「精神疲労」の検査を行わせたという話もある。その他にも、奇妙な声を聴いたという者もいれば、キラキラと揺らめく不可解な光を目撃した者もいた
間違いなく、これらの出来事はあの夜私達が行った儀式と関係している。この世界にねじれを生み、虚無の通り道を作ってしまったのだ。きっと虚無はどこまでも広がるだろう。あの儀式の影響は、一体どれほど遠くまで及ぶのだろうか