Death of the Outsider の本

E.シエンフゴスの日記

[エレウテリオ・シエンフエゴスの日記より抜粋] 詩歌の月5日 また夢を見た。虚無ではないが、カルナカ市民なら毎日見ている場所、シンデイリーピークだ! 光が上に向けて広がっていた。一体どういう意味なのだろうか。調べるか? 山からの呼び出しだ 詩歌の月9日 山に行…

アイレスの力

船に乗ったことがある奴なら誰でも、これが何なのか知っているはずだ。幸運のお守り、骨細工。魔術って呼んでもいい。名前は何でもいいんだ。その不思議な骨のかけらが願いを叶えてくれるなら、自分の未来を託す価値がある。たまに死んだハウラーやグリズラー、それにその辺の下っ端の死体なんかにもついてるな。最後の希望ってやつだ…

アウトサイダーとの遭遇に関する分析報告 [1]

[アウトサイダーとの遭遇についての独白より抜粋] 十分に稀有な話でありながら、異なっているのはそれぞれの話者の語り口や熱意のみ。少数の選ばれた者が、夢の中や祭壇との接触を通じて、虚無に呼び出されアウトサイダー本人と言葉を交わす。一部の者は、彼の恩恵を受けこうした遭遇事件から帰還するそうだ…

アウトサイダーとの遭遇に関する分析報告 [2]

[アウトサイダーとの遭遇に関する調査レポートより抜粋] アウトサイダーの来訪に関して、最もうまくまとめられた(と同時に最も疑わしい)供述は大衆の大修道院の人々によるものであろう。監督官と神託修道会がアウトサイダーが存在する根拠として語る、アウトサイダーからの誘…

アウトサイダーとの遭遇に関する分析報告 [3]

[アウトサイダーとの遭遇に関する調査レポートより抜粋] アウトサイダーとの対話に用いられたもののうち、最も一般に知られているのはアイルズ全域に数多く建てられた祭壇に見られる、呪文の数々だろう。例に漏れず、大修道院はこれを異端と見なし、公開を禁止している。これら…

アウトサイダーとの遭遇に関する分析報告 [4]

[アウトサイダーとの遭遇に関する論文より抜粋] これらの遭遇から、アウトサイダーの媒介者の可能性について考えなくてはならない。虚無そのものがアウトサイダーに注意を向けさせているのだろうか? それとも、遥か昔にエンビジョンによって虚無の溶媒に沈められた少年には、未だに記憶、意識、そして欲望の欠片が残っているのだろうか?…

エクスサングイネーション

ポンプを動かし始めた時、ドナーは緊張していた。メモ:次回は鎮静剤を増量しよう 苦痛の最初の兆候:ボソボソしたつぶやき、酔ったような感じ。何が見えているのか質問したが、答えはオーディオグラフに録音されていなかった。助手を雇わないとな。質問と、血液ポンプの確認と、メモ取りは一度にできない…

お守りの彫刻師の日記

詩歌の月8日 お守りの彫刻師は食いっぱぐれることはない。それが母の口癖だった。人々に願いを売ってお金を貰うのよ、って。でも、私はお腹が空いている。こんな骨のかけらなんてあっても監督官達の目からは逃れられやしない。心当たりはないけど、誰かが私の名前を漏らしたんだ…

カルト信者の日記

暖炉の月12日 それは始まった。今朝起きたら肩が重く、感覚が無いみたいに感じた。よく調べると肩に銀の石の筋があった。やっとだ! ついに虚無との融合が始まった。ああ、この現実から離され来世では永遠として存在することができるのだ! 虚無の繊細な切り替わりとその模様、そして下等な生物との全ての接触が断たれるのだ!…

ガルバニ先生の自伝

知識を追い求めた人生を振り返る 極寒の月28日。人生で最も貴重な一日だった 同僚の教授達と一緒に休憩室へ入ったのはハイテーブルの後だった。ワインとモーリーのチーズを堪能しながら、仕事についての話をしていたのだ。私は自然哲学アカデミーに講師として戻ったばかりで、…

シンデイリーからの贈り物の研究 - イモラ・クリスプウィッチ著

カルナカ陸塊における風の影響とそれがもたらす経済的地位 鯨油。それは液状の力である! あの動物の中にそのような油が存在し、肉とともに収穫でき、しかもその量はアイルズがこれほど騒乱の中にある現代においても、充分なエネルギーを供給し続けているというのは、驚くべきこ…

シンデイリーでの失われた日々:回想録

[シンデイリーでの失われた日々:回想録] 全ては幻覚から始まった:ジュアナ・ガラルドは叫んでいた。玄関の鍵を開けた途端、家が消えてしまったのだ。帰ってきた鉱山場労働者の身の毛のよだつ、既に切り出され綺麗にされたトンネルが現れたという話。しかし直ぐに町全体が不可思議な体験をする…

スイートタンのレシピ

スイートタンの作り方 こちらの発声用お料理は、喉をなめらかにして発声音域を広げます 8つの新鮮なタンを縦方向に薄切りし、きれいな水を入れた大きな鍋で煮ます。灰汁が出てきたらタンを湯切りし、再度鍋に冷水を入れます。ここでハーブと大腿骨を入れ、2時間煮ます タンを…

ダウドの日記

あいつに見つかった。驚きはない。あるのは救われた気持ちだけだ。アイルズで俺を見つけられるのは、ビリーぐらいだろう。腕も全く落ちていないな まだあいつが子供だった頃を覚えている。街中の子供で、最初に俺のギャングに加わったわけではなかったのに、あいつには可能性を感…

ダウドの日記[2]

あいつはうまくやった。そうに決まっている。疑われているのはわかっていた。あいつにとって最も恐ろしいことをやるように言ったんだ。信用を失っても仕方がない アウトサイダーを殺すのは俺じゃない。アウトサイダーはそれをわかっているはずだ。そして、あいつもそれをわかっている。恐怖と罪悪感に満ちた顔に……

ダンウォールのナイフ

[大衆小説からの抜粋] 第3章 ダウドはその刃を見つめた。計画は完全に大成功だった。彼が望んだよりもうまくいったといえる。実際、何もかもが簡単に終わりすぎた。だが、全てが終わった今、彼の心はむなしかった。彼の心を再び満たしてくれるものはもはやこの世にないのだ。彼にはそれがはっきりとわかっていたし、恐ろしくもあった…

フィデリアの日記

大地の月2日 古い呪文を唱えてみても前みたいにうまくいかなくなった。前はこんなことなかったのに。魔力は本当に消えてしまったの? 姉妹の誰かから、街のゴロツキどもについての話を聞いた。私たちと同じようなことをやってるらしい。そこの他に行く当てはなさそうだ 大地の月27日…

ボーンチャーム

[船乗りに関する伝統と手工芸品についての書籍から抜粋] ボーンチャーム、いわゆる船乗りの魔除けについて この彫刻はそれ自体が長い歴史を持つ伝統であり、熟練の海の男からまだ船酔いに悩む新米の船乗りに教えられ、受け継がれてきた。かつての船乗りたちはセイウチの牙や、…

マルキオディの日記

闇の月2日 私はあのアウトサイダーと遭遇した数少ない者たちを飾った文字の意味を確信している。あれはアウトサイダー本人の名前である… 彼が虚無と融合したときに失った名前だ。もしこの名が彼に戻った場合、はるか昔に想定せしものが行った儀式が無効となるはずだ。この事実…

ローズウィンの予言

大地の月19日 見たことのない装置に赤い糸が5本張られていた。修道女達にもそれが何か分からなかった。そのうちそれは再び正体を明かすだろう 収穫の月3日 モーリーの政治は混乱を極め、無意味な小競り合いが続いている。彼らはケリングトン伯爵の次の祝宴で目玉としてブラ…

永遠の本質 - ポリーナ・ロシャコワ

[虚無に関する論文より抜粋] アウトサイダーの研究は彼を高める空虚なかの地を検査せずには不可能である。しかし一方の認識を誤ることは致命的な間違いでもある 事実、虚無は彼の双肩にかかっている。我々は知っている。彼は、我々に知識を与える死せる神の目のように中心とな…

王立博物館で押収した異端な備品の記録

1852年雨の月に行われた捜査で押収した、異端な備品のリストを下記に記載する 現在も捜査中: 館長のオフィスの書類、シルバーグラフ、メモ、手紙 - 注意: 上記の新たに発見された文書の保管場所は神託修道会のビジョンで判明。記録文書はローズウィン修道女が押収。彼…

我々は星を見る - F.H.クラップ著

[天体図作成法の論文より抜粋] どんな子供でもアイルズの夜空に浮かぶ星座を知っている。舵を取る船長、牙の生えたリヴァイアサン、うぬぼれの公爵夫人、鱗で覆われた雄ヤギそして蛾の王だ。物語はアウトサイダー自身より古く弱者と無知の者により彼らが飲み込まれる空虚に意味を持たすため古より伝えられてきた…

監督官の箴言集

「見た目の美しいものに目を奪われてはならない。誘惑から目を離せなくなるよりは、両目をくり抜く方が良い」 監督官の言葉114 「異端の思想は1つでは終わらず、さらなる異端の思想を招く。ただ1株の雑草が、いつしか麦畑を埋め尽くすように」 監督官の言葉401 「忘れ…

機鋼兵のマニュアル

「機鋼兵のマニュアルより抜粋」 機鋼兵はキリン・ジンドッシュによる素晴らしい発明品であるものの、誤作動を起こす可能性があります。事故を防ぐため、以下の注意事項を熟読して下さい ※ 機鋼兵の表面はセラミックプレートのアーマーで覆われています。このアーマーが破壊さ…

記録文書に関するメモ

例の薬剤師から送られた記録文書には興味深い内容が記されていた。しかし彼はどうやって私への連絡手段を手に入れたのだろうか? 会ったら問い詰めてみるとしよう 資料には虚無への入口の場所について書かれていた。この街にそびえる山岳にその入口があるという。これまで必死に…

虚無からの囁き - バルノリ・ムラニ著 [1]

異世界の物質的存在に関する論文[抜粋] 次のような話はよく聞かれる。例えば車輪の下敷きになるなど、悲劇的な事故によってある人の呼吸が止まり、死亡したと判断される。ところが、体にのしかかっていた重量物をどかすと、急速に回復するのだ! しかしこれは、一瞬か非常に短…

虚無からの囁き - バルノリ・ムラニ著 [2]

異世界の物質的存在に関する論文[抜粋] 夢の中でつかの間訪れる虚無や、昏睡から覚めた者が語る虚無は、選ばれた者だけの特権ではない。私が聞き取り調査を行う中で、程度の差こそあれ、1度もこのような虚無の幻視を見たことがないという者は誰もいなかったのだ! となれば、…

虚無からの囁き - バルノリ・ムラニ著 [3]

異世界の物質的存在に関する論文[抜粋] 大衆の大修道院は虚無とその存在に関する研究を行うことを禁じている。しかし、日々鯨がダンウォールの解体場へ運び込まれている事実についてよく考えてみてほしい。フックからぶら下げられた鯨は危険といえるのか? 解剖と研究を行った…

虚無からの囁き - バルノリ・ムラニ著 [4]

異世界の物質的存在に関する論文[抜粋] 虚無への到達が困難である事実が現実的な面にも、モラル的な面にもないのなら、倫理的な面からこの問題を考えてみよう 虚無は死の淵にいる者にのみ働きかけるという。そうであれば、我々の世界と伝説上の深淵世界の境界線を越えるには生命を生贄に捧げる必要があることを意味する…

孤独なネズミ少年の物語 [1]

その年、ネズミの疫病がダンウォールに広がり猛威を奮っていた。特に犠牲になっていたのは、大きな建物の陰に潜みながら生きる人々だった その少年は家族はおらず、小さな白いネズミだけが友達だった。食べ物を見つけると、それがどんなに僅かなものであっても必ずそのネズミと分…

孤独なネズミ少年の物語 [2]

少年は何時間も歩き続けた。ふらふらと足を引きずり、夜の間は辺りうろつく連中を避けるように街を横切った。気がつくとダンウォールの見たことのない場所まで来ていた。ネズミは少年の首元に身をすり寄せ、寒空の下で唯一暖かさを感じることができた 路地の向こうから穏やかな音…

孤独なネズミ少年の物語 [3]

少年は愛を知らず、恐怖だけを感じて生きてきた。愛は幻想にすぎない。彼の頬を優しく包んだ手の温もりはとうの昔に忘れてしまった。その一方で傷は毎日刻み込まれていく。世界に見捨てられてもそばに寄り添ってくれた白いネズミだけが少年の唯一の心の拠り所だった かつて少年を…

孤独なネズミ少年の物語 [4]

少年の手のひらの傷口から血が滴り落ちた。すぐに目にも血が溢れ、まるで汚れた涙のように頬を伝った。白いネズミは印の浮かんだ手の中で丸まっていた。この不思議な魔力によって守られていたのだ 少年はダンウォールをさまよい歩いた。街中がその光景に震え、彼の肉体を侵す疫病を恐れていた。少年の行き先はひとつしかなかった…

死せる神の目の詠唱

沈黙へは声を 恐怖へは顔を 闇へは身体を 切望へは傷を 全知へは刃を 虚ろへは儀式の間を 探究者へは真実を 番人へは対価を アイレスへは目を

蝕まれた精神 - アルバーロ・カルドーザ著

アウトサイダーの影響 解剖の結果、アウトサイダーの影響下に入った精神は堕落してしまうことが科学的に証明された。彼の信者の行動を調べれば、これは明らかだ。戒めを厳守する純粋な若い女性が、アウトサイダーを信仰しただけでその心を堕落させてしまった。彼女はありとあらゆ…

神託修道会について - 歴史家ダグラス・ハーウィックル著

神託修道会といえば、盲目の修道女のことが盛んに語られる。実際は、彼女たちの視力は我々と何ら変わらない。彼女たちはただ、自分の心を乱すものや軽薄な物事に対して目を閉ざそうとしている。彼女たちが必要に迫られて一般人に交じって歩く時などは、濃い色のついた目隠し布かそ…

神託修道会の像

4日目 神託修道会の像を作る作業は困難だった。彼女たちは外との関わりをほとんど持たず、外出すら稀だからだ。必要な髪の毛や切った爪を手に入れるのはほぼ不可能だった だが、いいことを思いついた。修道女たちが死後も結びついているのならば、彼女たちの死体から骨を取り出…

先祖の骨

[イヴァン・ジャコビの未完成の回顧録から抜粋] 私の祖父はティビア人の母を嫌い、すべてを軽蔑する母は、祖父も冷たく軽蔑していた。だが私が生まれた時、祖父は、私が祖父似であることにすぐ気づいた。同じような顔つきで、兄弟にはない近視の遺伝を継いでいたからだ。祖父と…

太古の音楽

[長い論文より抜粋] 太古の音楽は全ての物質の構造原理として存在し、自然界のあらゆる場所に辛うじて知覚できるほどのかすかな残響を見つけられる。太古の音楽を利用すれば、自然界の法を侵さず、また意地の悪い精霊の助けを借りる必要もなく、奇跡的な現象を起こせる これま…

大金持ち

[とある日記からの抜粋] ここへ来てまだ1か月だが、じゃんじゃん金を稼いでる。念願叶ったりってやつだ。確かにサプレッサーには金がかかるが、その10倍稼いでくれるんだから何の問題もない みんなあの外道と戦いたがってる。新入りどもはみんな噂を嗅ぎ付けて来た奴らだ。自分たちがヤツの記録を破れると思ってやがる。ハッ!…

鳥のバーティーについて

私は「バーティー」――私たちが決めた彼の名だ――を捕まえた。偉大なるソコロフの背中を追いかけるため、私が数人の者と時々おこなってきたパンディシアへの一連の不運な冒険の中での出来事だった 大きな群れで集まる鳥で、岸壁に巣をつくる鳥なのだが、バーティーは私たちの船…

幼き女王

[何巻にもおよぶ歴史書から抜粋] ある時点から、人々はエミリー・カルドウィンを「幼き女王」と呼ぶことをやめた。それは摂政伯爵の時代のように再びダンウォールの独裁を目論む「摂政官」と呼ばれる過激派による襲撃事件が起きた後のことだった ダンウォールタワーへの帰路、…

老夫人たちのレシピ

マーニーの秘密の粉 (恐ろしい幻覚、視力の低下などの効果) 20匹の紫色のウミウシを、固く、羽のように軽くなるまで天日で乾燥させる すり鉢に入れ、次の材料も加える 干しゴボウ 1本 乾燥させたニームの葉 4枚 細かく削った鯨の骨 1/2カップ 粉状になるまでよ…